どこでもよかった語学留学|愛媛大学 徳増萌々




現在、世界には196の国がある。

僕たちにとってそのほとんどが遠くのよく知らない国で、そこに住んでいる人たちは遠くに住んでいるよく知らない人達だ。僕たちは知らないままでいいのかもしれない。だって僕たちには関係ないことなのだから。

ここでは、そんなよくわからないところに行ったまたは行っている大学生が、何のために行き、何をして、何を感じたのかを伝えたいと思う。

知らなくていいのかもしれない。関係ないのかもしれない。でも、読んでみてほしい。


渡航先:フィリピン
どこでもよかった語学留学

愛媛大学教育学部 総合人間形成課程 国際理解教育コース4回生
徳増萌々

誰も行ったことがないところへ行きたかった

ーーなぜフィリピンに行こうと思ったのですか?

どこかしら海外行ってみたいなと思っていて、どこでも良かったといえばどこでもよかったけど。

なんかどこ行っても楽しかったと思うけど、東南アジアってなんか未知のところというか。周りで行っとる人がいなくて、みんなオーストラリアとかアメリカとかで、学年もまだ2回生だったし。誰も行ったことがないところが良かった

あと、1年の頃にタガログ語を習っていて、その日本人の先生もフィリピンに住んだことがある人で、その先生がするフィリピンの話が面白いなと思って行きたいって思ったかな。タガログ語は話せないけどね。(笑)

でも、一番最初がフィリピンでよかったなって思う。

ーー語学留学で行かれたのですか?

そう、語学留学で行きました

2年生の4月からフィリピンには7月いっぱいまでいて3か月半は語学学校におって、勉強は行ってからはちゃんとしたけどフィリピン人との交流もしっかりしたので遊びも充実していたな。

ーー2年生になってすぐというのは、結構早いなと感じるのですが、なぜ留学に行こうと思ったのですか?

とりあえず、恥ずかしい話なんやけど、バレーボールをずっとやっていて大学に入るまでバレーボール漬けの人生だったんよね。大学には推薦で入ったんだけど、全然英語の授業についていけなかった

先生の英語の質問がわからないくらいだった。何とかしよう、このままじゃやばいと思ってとりあえず行こうと思った。

2回生で休学とかも気にしなかったし。入学前からお金がたまったら行こうと決めてた。

ーー最初の質問の時「フィリピンでよかった」と言っていましたが、それはなぜですか?

東南アジアで全く違う環境に行くことが出来たし、なによりフィリピン人がやばかった(笑)。

なんかずっとこの人らとおったら楽しいやろなって。人柄やね。フィリピン人にもシャイな人はいるし、人それぞれだけど、考え方がすごかった。話し込んでいたらわかるんだけど、すごいポジティブ。うちが結構悩むことがあたんだけど、相談とかするとなんでそんなことで悩んでるの、悩み事なんてないよみたいな感じで。

なんだろうな人に惹かれたっていうのはあるかな。

ーー現地の友達との印象的なエピソードはありますか?

フィリピンの大学の授業って全部英語だからフィリピンの人って大学まで行けば英語ペラペラな人が多いんだよね。うちが友達になった子は、その中でも英語教育、フィリピン人に英語教えるコースに所属していて、もともと資格とかも持ってて私と会って日本人面白いなと思ってくれたんだよね。

それから、日本行きたいって言うようになってくれて、でやっぱお金がないけぇこれんっていっとって。渡航費もない。月収が3万円くらいで。来ること自体が難しい。私もできる限りのことはするよっていったけど。いろいろ難しくて。

ーーお金渡したりするのは難しいですもんね。

でも一回払ったことあるんよ、授業料

それが払えないと、次から学校に通えないっていう状況で。その額が8000円くらいで、それが半年分の授業料でめっちゃ困っとったけぇ出した。

その子も学生やけど学費も全部自分で稼いでいて、お母さんがおらんでお父さんが体調悪くて、でもそんな子がたくさんおって。兄弟が2人おって養えないよって、大変そうだった。

ーーそういう学生は結構いたんですか?

片親の子がたくさんおったかな。

日本人って親戚との繋がりがそんなにないと思うんだけど、フィリピン人は親戚みんな仲間みたいな感じだったな。頼るし、頼られるしみたいな。

あと、一回仲間だと思ったらすごい。困ったら助けてくれるし、でも相手が困っていたら助けてあげないといけない。仲間だったら相手が困っていたら助けるもんだっていう考え方がすごい。困っている人は助けてくれるけどね。



ゲイの友達との出会い

ーー現地でゲイの友達ができたそうですが。

うちと友達とその友達の3人でカンボジアの国際会議に参加したんだけど、最初はタイ人のいい男がいると思ってたんだけど、その人がゲイだったっていう。

なんていうんだろう、今までゲイの人とちゃんと関わったことがなくて、衝撃とかじゃなくて、普通の友達として接したね。

あと、フィリピンにはゲイがめっちゃ多いと思う。

だからかわかんないけど、ゲイに対する感じが日本と違っていたな。

ショッピングモール歩いている時に、うちがあの人めっちゃイケメンとか言った時も、ああ、あの人はゲイだよって、みんな分かるんよゲイって。私はわからなかったけど。なんかでも嫌な感じじゃなくて、めっちゃ普通に。ゲイの悪口は、フィリピンにいる時に聞いたことないな。

なんていうか、みんな隠してない。普通にゲイの友達から恋愛相談も受けたりしたし。

日本と違って、そういう人がいて当たり前みたいな感覚があったかな。

 

ーー何か現地で困ったことはありましたか?

食事に少し困った。なんでも甘いんよね。ごはんにも甘いものみたいな。塩っけもやばい。甘いかめっちゃ味が濃いか。絶対身体に悪いと思った。

ーーどうやって解決しましたか?

日本からサプリメント持って行ったのと。あとは果物いっぱい食べた。

果物はめっちゃあるし、めっちゃ安い。カルボンマーケットっていう有名なマーケットがあるんやけど、そこいったらあり得ないくらい安く買えて、ほとんど毎日マンゴー食べてた。



海外に行けば多くの人を受け入れられるようになる

ーー現地で何か印象深い出来事はありましたか?

渡航前に「ストリートチルドレンには気を付けろよ」って言われとったんだけど、空港は本当に危ないところで、大人も子供も出口を囲んでいて怖かった。

学校では人によって全然いいイメージがない人とかも多くて、うちはスーパーの前におるストリートチルドレンに一回お菓子買ってあげたんやけど、すっごい喜んでくれて、次からはうちが来たらわかってくれて、覚えてくれたんよね。

他の人とストリートチルドレンの事について話すこともあったけど、うちみたいにお菓子あげたりする人は少なかったんやけど、この問題に関しては本当に考え方が違っていたな。

ーー語学留学に行くと、あんまり日本人学生と関わらないほうがいいと聞くのですが、どのようにかかわっていましたか?

語学を伸ばすことだけ考えた場合、日本人とは話さないほうがいいと思う。

でも、日本から海外に行くという事はみんな何かしらの理由があって、話してみたら面白い人たちが来ていて、刺激をめちゃめちゃ受けた。

正直海外に行って満足していた自分もいたけど、まだまだやれることあるな、日本のこと知らないなみたいな事を感じさせられたな。

ーーフィリピンへの留学を終えて今思うことはありますか?

やっぱり、今は英語を頑張りたい

英語やらなきゃなと思うのは、外国の人と話しいて、簡単な英語では会話できるけどもっと深くかかわるために必要だと思うから。言葉の壁なしで、日本語のレベルくらいで話せればもっともっと仲良くなれると思う。

あと、海外に行けば行くほどいろんな人を受け入れられるようになると思うよ。

変な偏見持っている人も行けば変わると思うな。海外でそれを学んだかな。適当人間になったのかもしれないけど。まあ楽しいからいいかな。

ーーアメリカへ1年間留学するそうですが、何か目標などありますか?

日本文化の発信をしたいな。

今までは、日本の文化を知ろう知ろうっていう考えだったけど、異文化理解って自分の文化を紹介することも大切なのかもなって思うんだよね。

その時に、日本の昔からの伝統文化だけでなく、POPカルチャーなど今の日本の事を知っていることって大切なのかなと思うね。

(インタビュー日時:2017711)


編集後記

「うちが海外に行くのは、将来海外に住みたくて、その候補地を巡っているっていうのもあるんだよね」と徳増さんは言っていた。すごい理由だなと僕は思った。そんな考えが自分の中で全くなかったからだ。

ストリートチルドレンやゲイ、そのことが話題になったときも徳増さんは、重々しく話すこともなく、ただ楽しそうに話していた。

徳増さんはどんな出来事にも人にも、フィルターをかけたりせずに、まっすぐに向き合っているのかなと思う。僕らが普段、この問題には真面目に関わらなければならないと思っている問題も、最初はもっと軽い気持ちで向き合ってみてもいいのかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。