【砥部焼はゴミから生まれた】知っているようで知らない砥部焼の世界




突然ですが、お皿にこだわりはありますか?

「やっぱり~緑が映えるお皿はこれで~揚げ物はこれでしょ~」

というこだわりがある方もいると思います。

 

因みに僕はびっくりするぐらいありません。

どれくらいないかという、明日不思議な趣味の泥棒が来てタッパー一つを残して他のすべてのお皿を盗まれたとしても、翌日に何も気にせずタッパー一つで食事をしてしまうほどに関心がありません。

「やっぱり~お皿が変わると味も全然変わるよね~」

という人のことを

「この人は舌の感覚がどうかしてるのではないのか…」

と本気でドン引くほどにお皿の力を信じていませんでした。

 

というそんな僕ですが、砥部焼という愛媛の焼き物を調べていると、その面白さに魅了されすぎてお皿こだわり人間になりそうなので、このタッパー人間を変え得る力を持ったその砥部焼を今日は少し紹介させていただきたいと思います。

どうかごゆるりとお付き合いください。



砥部焼って何?

砥部焼とは何か?をここでつらつらと書いてもいいのですが、僕の学部の先輩に元砥部焼大使の方が奇跡的にいたので、せっかくなのでその方に訊いてみました。

「砥部焼について何も知らないので教えてください!」という後輩に、「ググればいいのに」と言わず教えてくれる優しい先輩です。

ぼく
早速なんですが砥部焼ってなんなんですか?
元砥部焼大使
砥部焼っていうのは、少し厚くて白い磁器(陶器)に藍色で手書きの装飾が施されている物のことで、花器や食器によく使われているの。
ぼく
へ~なんか成立の歴史とか知りたいです!
元砥部焼大使
ん~説明は難しいから、行って来たら?
ぼく
え…

砥部焼はゴミから生まれた?

軽い気持ちで始めたインタビューでしたが、江戸時代までさかのぼり砥部焼について調べることになってしまいました。元砥部焼大使の能力のすごさに驚いています…

 

~時は江戸1772年~
ぼく
向こうの方から誰か来たぞ!
村人A
あ~今日もつかれたぞなもし~。
村人B
そうでござるな~
ぼく
すいません!こちらで働いている方ですか?
村人A
そうじゃよ。わしはここで砥石を削る仕事をしているんぞなもし。
村人B
そうでござるな~
ぼく
(ん…?砥石?砥部焼ではないのか?)
ここって砥部ですよね?
村人A
砥石といえば砥部に決まっているぞなもし!
伊予砥ととも呼ばれるほど有名ぞなもし。
村人B
そうでござるな~
ぼく
お仕事大変ですか?
村人A
仕事はいいんだけど、なんといっても砥石を削り出すときに出る砥石屑の処理が大変ぞなもし。本当に…
村人B
そういえば杉野丈助さんが藩主さんになんか命じられたらしいでござる。
ぼく
(Bの人話せたんだ…)
そうなんですか…
杉野さんに話聞いてみたいですね。

砥部焼、発明の苦悩

杉野丈助
わしのこと呼んだか?
ぼく
あぁ!こんなにすぐに会えるとは。
杉野さんちなみに藩主さんに何を依頼されたんですか?
杉野丈助
おぬし情報を得るのが早いの。

この地域では砥石を削り出す際に出る砥石屑の処理が重労働で問題になっておる。そこで、『砥石屑を使って磁器(陶器)をつくれ』という依頼を受けんたんじゃ。

ぼく
(要らないものの再利用って、現代でもイケてる考えだ…)
ちなみにそれって結構難しいんですか?
杉野丈助
もうめっっっちゃくちゃムズイぞ。

~2年後~

ぼく
調子はどうですか~?
杉野丈助
やばい…試作をしすぎてもう近くに燃やせる木が無くなってしまったんじゃ…
ぼく
それはピンチですね…
<strong>杉野丈助</strong>
もうあきらめるしかないのか…

しょうがない。燃やしたくはなかったがあれを燃やすしかないか…

ぼく
あれ?
って杉野さんそれはダメです!あぁ~

そうして杉野さんは自身の家を壊し、それすらも焼き物を焼くための燃料にしてしまったのです。それからも、自身の資産を使いまくり開発に努めました。

~1775年(開発から3年)

ぼく
杉野さんこれは…まさか…
杉野丈助
そのまさかじゃ…
砥部にある材料だけではうまくいかず、他の地域から学んだり、家を焼いたり色々あったが、ついにこれで完成じゃ!

伝統は古いものの積み重ねではない

元砥部焼大使
砥部焼の歴史はどうだった?
ぼく
まさかタイムスリップするとは思ってませんでしたが、まさか砥部焼が当時の社会問題をクリエイティブに解決するというめちゃくちゃかっこいい理由でつくられたものだとは…驚きました!
元砥部焼大使
そうなの。
伝統は積み重ねられることによって出来たもので、その伝統にも最初にそれをつくった誰かがいたということに気づいてもらえたならよかった。

伝統は更新されていく

ぼく
でも、伝統産業になってしまった今、難しい顔をしたおじさんが若い人がなんか新しいことをしようとしても、「伝統を守れ!」って言ったりして、変わることが出来ない。というイメージがありますね。
元砥部焼大使
確かに、伝統産業にそういったイメージを持つ人は少なくないかもね。
でも、砥部焼に関してはそのイメージは全く当てはまらないよ。

なんといっても砥部焼では女性の職人さんも増えていて、女性ならではの視点からの新作や絵付けがされていたり、他の地域で修行した人がそこでの経験を活かした作品を発表するなど、伝統を工夫して更新し続けているの。

ぼく
なんと!砥部焼は変化を恐れないんですね。かっこいい…
なんかこう砥部焼について知っていくと、直接生産者の窯元の方に話を聞いてみたくなりますね。
元砥部焼大使
そんなに砥部焼に興味を持ってくれて嬉しいよ。
今砥部には窯元さんが100軒くらいあるんだけど、いくつかなら繋がりがあるから紹介しようか?
ぼく
(さすが砥部焼大使だ…)
それはぜひです!よろしくお願いします。

Special Thanks

インタビュー協力:徳増萌々さん @mp5231(元砥部焼大使)
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砥部焼提供:鈴木隼人さん @ms3_marimo

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