「関わった組織をみんなが好きな組織にする」篠永信一朗のミナモトとは(前編)




あなたの周りに「なんでそんなことやってるの?」と思わず尋ねたくなるような人はいませんか?

 

お金になるわけでもない。

誰かに頼まれたわけでもない。

しんどいこともある。

 

そんな“別にやらなくていいこと”に全力で取り組んでいる人が時々います。

 

どうして彼らはそんなことに全力で取り組めるのだろうか?

ここではそんな彼らの“ミナモト”をきいていこうと思います。


この世の中で最もキリのいい数字でもある三人目は、

野球部で主務を務めながら、大会前のチームを率いて被災地へのボランティアへ行ったり、

他学部の授業を取りまくったり、

まちづくりの事業に関わったり、

などなど様々な“なんでそんなことを?”な活動をされている、

愛媛大学工学部3回生の篠永信一朗くんです。

 

彼のそんな行動の“ミナモト”は何なのでしょうか?

迫っていきたいと思います。




愛大硬式野球部として復興支援活動をしたミナモト

▲左が篠永くん右がタカハシ、真ん中がなぜかいた栗原さんです。

タカハシ

さっそくなんやけど、野球部として7月の豪雨災害の直後にボランティアへチームとして参加した時って大会前だったんよね?

 

篠永

というか7月7日がインカレだったんですよ。

 

タカハシ

まじか。

 

篠永

インカレが豪雨の影響で中止になって。

 

タカハシ

なるほど。秋のリーグ戦はいつなんだっけ?

 

篠永

8月25日ですね。

 

タカハシ

それってだいぶ大事な大会よね?

 

篠永

そうですね。年に2回の全国につながる大会なので。

 

タカハシ

結局野球部としてボランティアは何回行ったんだっけ?

 

篠永

4回ですね。

 

タカハシ

大事な大会前の練習いっぱいしたい時に、そういう活動をできるってすごいよね。

 

篠永

そうですかね…

 

タカハシ

どんな感じで「行こう」ってなったの?

 

篠永

災害が起こった後に、同学年の間でのグループラインでボランティアの話題が出てきて。

 

タカハシ

みんなから?

 

篠永

そうですね。

でも、野球部の大人数がバラバラに行って何か起きたらいけないと思って、一斉に動けるようにどうしたらいいかを考え始めた感じですね。

 

タカハシ

最初に行ったのは?

 

篠永

7月の14日に、松山市の興居島に行きました。

▲興居島での活動の様子(twiterより)

タカハシ

どういう手順でそうなったん?

 

篠永

まずは大学の支援課に行って、松山市の社会福祉協議会に行って、大人数ということで松山市からアクセスしやすい興居島に行くことになりました。

 

タカハシ

ほうほう。

 

篠永

その他の活動としても、マンダリンパイレーツの選手の方と一緒に募金活動とかできたらいいなとも思ってたんですよね。

▲『愛媛マンダリンパイレーツ』愛媛を拠点とするプロ野球独立チーム(公式サイト)

タカハシ

でもそれマンダリンパイレーツの会長さんとかと知り合いじゃないと声かけれないよね。

 

篠永

ぼくたまたま会長さんと知り合いだったんですよ。

▲「たまたま知り合いだったんですよ」の顔

タカハシ

まじか。

 

篠永

でも、プロアマ規定にかかって出来なかったんですよね…

別で、大学野球連盟として義援金を募る活動はしました。

▲スローガン“地域のために今、僕たちができることを”

報告のニュース(日本赤十字社より)
→篠永君がめっちゃかっこいい感じで写ってます。

 

タカハシ

なるほどね。

その後何回かボランティアに行ったわけやけど、大会前の大事な時期に練習を優先したいとか、そういう反対の意見はなかったん?

 

篠永

それがで。

 

タカハシ

ほう、

▲「ほう、逆」の様子

篠永

最初はボランティアに行った日が、テスト期間っていうのもあって渋る感じもあったんですが、ボランティアへ行った次の日の練習では「次のボランティアはいつ?」みたいな感じになったんですよね。

 

タカハシ

へ~なんでやろ?

 

篠永

多分実際に行ったことで、

「母親と娘だけの家庭で、あの土砂はどうしようもない。おれたちが行かないといけない。」みたいな、

使命感とか、気づきがあったのかなと。

 

タカハシ

なんか印象に残ってる気づきとかある?

 

篠永

ん~やっぱり行ったことで気づきを得られた部員も多くいたので、行くのが大事だなと思いましたね。

それで、リーダーとしては迷っている人を半ば強引でもいい方向に導いていくのが役割なのかなっていうのは気づきましたね。

 

タカハシ

たしかに。団体としてでなかったら、行ってなかった人もいると思うから、野球部として参加するというのはすごいよかったよね。

 

ボランティアに参加してどんな瞬間が一番うれしかった?

 

篠永

4回目のボランティアで吉田町へ行ったんですけど。

 

タカハシ

ほうほう。

 

篠永

ぼくが入ったところはおばあちゃんの家だったのですが、作業している時に差し入れをくれたり、リーグ戦の話をしたりしたんですね。

▲吉田町でのボランティアの様子(twitterより)

タカハシ

お~いいね。

 

篠永

その時に、「吉田町からリーグ戦の応援に行くよ~」って言ってくださったのが一番うれしかったですね。

 

タカハシ

めっちゃいいやん。

 

篠永

そうなんですよ。地域の方の役に立つことができて、さらに愛大野球部のことを好きになってくださる人も増えるという、まさにwin-winな活動だなと。

 

タカハシ

素晴らしすぎる。

 

篠永

ほんとは、硬式野球部だけでなく軟式とか準硬とかとも行きたかったんですが、50人くらいが一度に動けてぼくの見れる限界かなと思って、今回は硬式野球部だけで行ったんですよね。

 

タカハシ

やっぱり大人数でいったから出来たことも沢山あったと思うし、ほんとにいい活動だなと思うよ。

 

篠永

そうですね。そもそもぼく自身、チームとしても野球が強くなるのはもちろんなんですが、誰からも応援されるチームになりたいっていうのが大きくて。

 

タカハシ

ほうほう。

 

篠永

まして国立大学で地域に支えられているので、できることをやらないとなっていうので色々動きましたね。



自分が好きなものを好きになって欲しい

タカハシ

ヤバいい奴やな。

なんでそんなに野球部のために頑張れるの?

 

篠永

そもそもぼく2回生の春で辞める予定で、周りのメンバーにもかなり早い段階で伝えてたんですよ。

 

タカハシ

まじか。

▲まじか、そんなシステムアリ?な顔

篠永

ていうのは、大学に入る時に、大学の間でやりたいことは全部やりたいって思っていて。

 

タカハシ

まじか。

 

篠永

それで2回生の間は席だけおいて、海外研修に3回行ったり、ELSとか松山アーバンデザインセンターとかで色々な経験をさせてもらったんですよね。

ELS…愛媛リーダーズスクールの略。在学中ならびに卒業後、リーダーシップを発揮する人財になり得る学生を対象とした教育・支援の取組み。

松山アーバンデザインセンター…「公・民・学」が連携するまちづくり拠点。

タカハシ

すごいね。1年でそんなに。

 

篠永

で、結局野球部は辞めなかったんですけど、2年生の間、野球部に迷惑をかけたので、そういう経験を野球部をよくするために使えたらなと思ってるんですよね。

 

タカハシ

すごいな。ずっとそんな感じで団体や組織のために動ける人だったん?

 

篠永

ん~小学生の時は児童会の代表みたいなのしてて、高校は生徒会長して、運動会では団長をしてましたね。

リーダーの幕内弁当のようす

タカハシ

そんなリーダーの幕の内弁当みたいな人生ある?

 

篠永

なんか自分が所属するものはよくしたいっていう想いがでかいんですよね。

 

タカハシ

というと?

 

篠永

自分が行ってる学校があって、その学校が好きな人もいればそうじゃない人もいるわけじゃないですか。

 

タカハシ

うん。

 

篠永

でも、自分が好きなその学校をみんなにも好きになって欲しいんですよね。

だから生徒会長になったし、今は野球部の主務として野球部を他の人にも好きになってもらいたいと思ってるんですよね。

 

タカハシ

でもさ、色々な組織に所属していく中で全部に当事者意識持って主体的に関わるとか無理だと思うんよ。

 

篠永

ん~

 

タカハシ

だから、どっかで減らす作業というか、自分事から離すこともでてくるとおもうんやけど、なんでそんなに自分事にできるん?

 

篠永

ん~なんでもやってみるからですかね。

 

タカハシ

というと?

 

篠永

その組織の中で能動的に動いてなかったら、悪いところが見えてきて嫌いになるけど、入ってやりたい事をやっていたらいいところがみえてくるんですよね。

▲“やりたいことをやっていたら、いいところがみえてくる”

タカハシ

なるほどね。

 

篠永

結果論ですよ。嫌いになる組織がなかったので。

 

タカハシ

多分組織を嫌いになる人って、その組織に入ってまず“与えてくれるもの”を待つんだと思うんよね。

それで、「待っても何もこの団体はしてくれんけん辞めよ」みたいな感じになると思うんやけど。

 

篠永くんの場合、いいとこ探しして悪いとこ見つけても、そこを自分で「どうよくするか?」みたいな、初めから何を“与えられるか”みたいな。

give&take だと give&give&give みたいな考え方なんじゃないかな。

 

篠永

そうなんですかね。

 

タカハシ

そうなんだと思うよ。

 

篠永

ぼくは単純に、「いいと思ったことはやる」っていう人間でありたくて、いいことってみんな大体わかってるじゃないですか?

挨拶はした方がいいとか。

 

タカハシ

ゴミは落ちてたら拾った方がいいとかね。

 

篠永

そうですね。人のためになる事を。

 

タカハシ

みんな分かってても、それをするのが難しいと思うんだけどな~。

 

<後編>へつづく

<後編>では、他学部の単位を取りまくっているワケや、将来どうしたいのか、という話を聞いていきます。お楽しみに!

Special Thanks

協力者

今回のインタビューにご協力方々です。

主役
篠永 信一朗
Facebook

愛媛大学硬式野球部https://www4.hp-ez.com/hp/aidaikoushikiyakyu/page1h

撮影
鈴木 ひかりinstagram(@hikariri.s)

場所の提供
カフェ みくろす(愛大・松大近くの学生向けフリースペースです。)


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